美保館の始まりは、平安末期にさかのぼります。室町時代からは廻船問屋や船宿を営み、北前船の寄港地として栄えた美保関で商いを続けてきました。明治41年(1908)に完成した本館は、平成16年(2004)に国の登録有形文化財となり、今も朝食会場や催しの舞台としてお客様をお迎えしています。
- 平安末期 1180年石橋山の戦いで敗れた源氏方の武将・松田十郎藤原朝臣定秀が美保関に辿り着き、定秀家が始まる。
- 室町時代〜「東」「北國屋」「和泉屋」の三店を中心に、廻船問屋・鯨方・両替商などを営む。以後700年近く、美保関で商いを続ける。
- 江戸時代北前船交易で栄える美保関で、北國屋は北国七ヵ国の廻船を担う最大規模の廻船問屋に。
- 明治38年(1905)山陰に鉄道が開通し海運が衰えるなか、船宿の事業を柱に旅館業へ。美保館本館の建築を始める。
- 明治41年(1908)美保館本館が完成。
- 昭和7年(1932)夏俳人・高濱虚子が逗留し、本館から葦戸越しに眺めた美保関湾を詠む。
- 昭和9年(1934)ごろ本館にガラス天井と床板を増設し、ほぼ現在の姿に。石畳を挟んだ北側に北館(現在の別邸和泉屋)を建立。それまでの船宿の建物は月名小路に移築される(現在の別邸 月那離宮)。
- 昭和54年(1979)7階建ての新館が完成。業務の大半を新館に移し、本館は一部を除いて休業(旅館営業の許可とメンテナンスは継続)。
- 昭和61年(1986)10月浩宮徳仁親王殿下(現在の天皇陛下)がご来館。
- 2000年代古建築が見直されるなか、本館が朝食会場・宴会場・披露宴会場として再び営業を始める。一日一組限定の披露宴は、春と秋にはほぼ毎週開かれる人気に。
- 平成16年(2004)本館と北館(現在の別邸和泉屋)が国の登録有形文化財に登録。営業中の旅館としては島根県で初めて。
- 2008年旅館の人気の一品だった「鯖の塩辛」を商品化。
- 2009年青石畳通りから美保神社への花嫁行列と、本館での披露宴を企画。披露宴事業を始める。
- 2012年「株式会社松田十郎商店」を設立。
- 2016年3月美保館旧館(現在の別邸和泉屋)の宿泊営業を再開。
- 2018年本館のアトリウムで開くコンサートが30回を超える。展示会や撮影会など、さまざまな催しの舞台に。
- 2019年(令和元年)所有する古民家4棟を順次リノベーション。別邸和泉屋に庭を眺める半露天風呂を新設し、別邸 月那離宮・別邸 大正館 柘榴・神邑をオープン。本館に BAR 神楽-KAGURA- を開設。すべての宿のお客様に、本館での朝食とモーニングコーヒーを。
- 2021年(令和3年)本館が松江市登録歴史的建造物(第14号)に登録される。
- 2021年春ミステリー作家・八木圭一さんの小説「手がかりは一皿の中に FINAL」で、美保関と美保館が舞台に。
- 2022年美保関キャンプ場の運営を始める。
- 2025年本館の一角に料亭風の広間「入船」を新設。
- 現在島根大学建築学科や松江農林高校造園科の学生と協力しながら、ヒノキ風呂の新設や庭の改装など、古民家の宿に手を加え続けている。